フォルティスの時計がMARS 500公式装備品に
2009年、模擬火星旅行実験“MARS 500”に協賛し、そのオフィシャルウォッチも製作したフォルティスは、2010年もMARS 500の本格的シミュレーションの公式装備品として火星への宇宙探査飛行計画の一環として行われるこの壮大なミッションを記念して製作された機械式時計を提供しました。1990年代初頭から宇宙飛行士の装備品として時計を提供するメーカーであり、数々のミッションでの実績から、フォルティスの自動巻時計が無重力空間での使用に耐えうる時計として宇宙飛行士から厚い信頼が寄せられています。実験棟のハッチが閉じられた瞬間から、フォルティスのこの新作時計は約2年間、MARS 500のクルーたちの腕で活躍します。
MARS 500ミッションの概要
日程 : 2010年6月3日開始
期 間 : 520日
(火星への往復を想定:250日は往路、30日は火星滞在、240日は帰路)
ク ル ー : 6名
装 備 品 : フォルティスの「B-42ブラック MARS500リミテッド」
クルー選抜の条件
一 般 要 件:年齢27~37歳、身長153~190cmの男女。英語の会話、読み書き堪能。
自然科学、工学、医学のいずれかの学士か同等の資格を持ち、できれば
関連分野で最低3年間の大学院課程を修了しているのが望ましい。
飛行経験も歓迎。
身体的要件:健康で、懸念されるような病歴がなく、標準体重、健全な精神状態の人。
志願者の筋力、心機能、前庭中枢を検査するテストが実施される。このテ
ストには、遠心器、回転イス、圧力室、飛行機等が使用される。
精神的要件:推理能力、記憶力、集中力、空間把握に長け、手先が器用。モチベーシ
ョン、柔軟性が高く、社交的で仲間に思いやりがある性格。攻撃性が低く
感情的に安定している。宇宙ステーションでの長期間フライトにおいて、
異文化を持つ仲間同士でチームワークを保ちつつ協同できる資質が最も
重要とされる。
専門知識 :科学の専門知識があり、装置の操作スキルがあるのが望ましい。心身と
もに健全で各分野での専門家。
目的
データ収集、実際の火星への探査ミッションのための知識と経験の蓄積
(105日の試験的シミュレーションでは、体液濃度のナトリウムバランス、自己制御を長時間モニタリング、電解質バランスやその他条件を考慮した隔離状況が血圧調整に与える影響、長期隔離状態が代謝や骨吸収に与える影響およびクルーのストレス、ホルモン調整、免疫、睡眠の質、機嫌、栄養補助食品の影響などのデータ収集を行った)
コンディション
・外界との完全隔離
・宇宙船を模した実験棟を離れるのは極端な緊急時のみ
・外界との交信は40分の遅延をもって行う(実際のミッションと同様)
・自営施設(医療援助、宿泊施設)
・肉体的、心理的な高いストレス
・移動のための少量の個人所有物
宇宙船
・住居棟:150(縦約20.33m×横約3m)
・着陸デッキ:50(縦約6.17m×横約3m)
・一般棟:250(縦約24m×横約3m)
・医療棟:100(縦約11.9m×横約2m)
今後の予定
・2035~2040年:火星への最初の有人飛行
・2050年:技術的入植可能時期